研究方法は読み手にやさしく書かれていますか?

卒論や修論の大詰めの時期に来ている人もいるかと思います。
論文の書き方のおさらいになる内容を今回も記しておきます。

学生の書く論文だけでなく,
学術雑誌の査読でも次のツイートのような
コメントをすることがあります。

査読の場合は正直勘弁して欲しい,
と思ってしまいます。

(文章の書き方を自動的かつ継続的に学べる仕組みとして
私が作ったBotです,興味あればフォローしてみてください)

自分自身がやってきた研究について論文を書くので
方法も自分にとっては当たり前になっているでしょう。

となるとわざわざ書かなくてもわかりそうだと思ってしまい,
方法の内容が当たり前でない他人には不親切に記述になりがちです。

研究方法を読んではじめて実験する人が再現できるか?
研究をはじめる前にタイムスリップしたとして
そのときの自分が実験・シミュレーションできるか?
を問いかけてみるといいと思います。

どうやったら物事の理解を深めようという気持ちになるのか?

昨日の記事に続いて
理解をどうやったら深められるのかを書いてみます。

昨日も書いたように物事を完全に理解するのは不可能ということは
厳密にいうと常に理解不足なので
学びを深め続けられるかどうかが大事になってきます。

「もっと勉強しろ!」
というのは間違っていませんが
勉強するという表面上の行為をするために
どうやったら自分内面がやる気になるのかを
考える必要もあると思います。

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物事を理解するとはどういうことなのか?

卒論や修論,または学会の発表の質疑で
答えが出てこない,
質疑と応答がかみ合わない
という経験をされた方もいると思います。

こういうときに教員から
研究内容・理論の「理解不足だ」と言われることもあるでしょう。

一見もっともらしいのですが,
ある事柄を理解する,理解しているとはどんなことなのか?
そもそも完全な理解というのがありうるのか?

これらを考えたことはあるでしょうか?

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図表を論文に載せる方法のおさらい:実験結果から感じ取ったこと,考えたことを表現しよう

ちょうど今は卒業論文や修士論文を
まとめる時期だと思います。

実験やシミュレーションをするだけで
手一杯という方もいるでしょうし,
さらに結果を図表にまとめるのは
なおさら大変とは思います。

でも,せっかく出した結果ですから,
できるだけ多くの方に理解してもらいやすいように
しないともったいないです。

論文作成動画講座でも扱っている内容ですが,
図表を論文に載せる方法で
実際に学生さんの論文を添削していて気づいた点を
おさらいを兼ねてまとめておきます。

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英語論文のチェックポイント

大学によっては修士論文でも英語での提出が
義務づけられていることもあるようですし,
東北大学の化学系の専攻でも今年からは
数ページの要旨は英語でも提出することになりました。

修士課程の学生さんだとまとまった量の
英文を書くことは初めてかもしれません。

どこに気を付けながら英作文をすればよいのか
わからないのも無理はないと思います。

10年程度英語論文の添削をしてきましたが,
共通する修正点があるように感じます。

こちらのPDFファイルによくある修正点をまとめてみました。
自分で書いた英語論文や要旨を自分でも
チェックしてみてください。

>>「英語論文のチェックポイント」

自分の書いた英文がほとんど教員に直されてしまうのは
楽しいことではないでしょうし,
教員としても文法ミスの指摘で精一杯になるのは
望むところではありませんので。

学生さんの修論の英語要旨を直しながら
これだと直すことに懸命になってしまう,
目的は英語を書けるように
学生本人になってもらうことなのに
これは違うんじゃないか?
と感じて英文のチェックポイントをまとめてみました。

心地よいコミュニケーションの方法を感性で選ぼう

孔子の『論語』には「礼」という概念があります。
これはやりとりをしている人間同士が
自分本来の感覚を素直に出した状態で
心地よくコミュケーションができている状態を指します。

特定のマナーを守っているかどうかは別問題です。

「礼」を実践するには自分の感覚と相手の感覚を
大切にする必要があります。
適切なやりとりの方法を相手や状況に応じて
感性で感じ取ることが大事になります。

その実践方法を今風に書いたのが次の記事だと思いました。

■Chikirinの日記,
ビジネスコミュニケーションの「常識」に注意しましょう
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20150206

特定のスキルがあるとか,
ツールが使いこなせることは役には立ちますが
必要な手段を感じ取れることのほうが大事だと
感じさせてくれる内容です。

論語の理解を深めるには『生きるための論語』がお薦めです。
こちらの記事でも紹介しています。

感性の生かし方,伸ばし方が固定化できない

論理的な表現にする方法は言葉にしやすいのですが
『Stylebook』でも表現しています),
感性を有効に使う方法,能力を伸ばす方法は
論理的に言葉にしきれないのが
難しいところです・・・。

論理的な表現,考え方はいろいろな本もありますし,
検証されてきています。
論理の生かし方は人による違いもそれほどないでしょう。

一方,感性の生かし方は人にって差が大きいと感じます。

「~すべき」と他人が断定した時点で
個人独自の感性を生かすことを
制限することにもなりえます。

各自が
こうすると喜びが得られるのではないか?
あのやり方だとエネルギーが乗りやすいのでは?
仮説を立てて試していくことが必要なのだと思います。

ただ,こうなると喜びを感じやすいとわかっても
あくまでそれは目安であり,一例のようなものであって,
これ以外はダメというわけではありませんし,
この状態になっていない自分を責める必要もありません。

ある程度感性の生かし方を特定できても,
言葉で完全に固定化できないのも
事実なのかもしれません。

『CTPeakトークイベント』の感想・学びのシェア

『CTPeakトークイベント』に行ってきました。

テーマは
『今の仕事を続けるべきか悩んでいる人へ』
~真理から観た使命の見つけ方~

でした。

感想と個人的な学びのポイントをシェアしておきます。

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論文作成動画講座 番外編5 論理と感性の両方が大切


Youtubeとニコニコ動画でタイトルは違いますが内容は同じです。
お好きなほうからどうぞ。

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