カテゴリー別アーカイブ: 文章の書き方

学術論文の書き方について独特の文章表現,論理構成,執筆を進めるためのメンタル,文書を見やすくするためのデザインなど幅広い観点から扱っていきます。

Windowsのバージョンが変わるとフォントのそれも変わる

OSのバージョンが変わるとフォントのそれも変わる。

たとえば理系の学術論文で使う機会が多そうな「℃」を
Times New Romanで出そうとすると,
Windows 8.1までだとdegree sign(文字コード00B0)と
Cの2文字にする必要があったが,
Windows 10だと「記号と特殊文字」の中に
degree celsius(文字コード2103)があり1文字にできる。

新しいバージョンのフォントで文書を作り,
古いバージョンのフォントしか入っていないOSで開くと
文字化けしてしまうので注意が必要。
論文をチェックしてもらうために原稿のWordファイルを
複数人で回し見するときはこれがネックになる可能性がある。

Windows 8.1のサポートが終了する2023年1月までは
汎用性を考えるなら℃はdegree signとCの2文字で表現するのが無難だ。

↓Windows 8.1のTimes New RomanはVer. 6.89
https://docs.microsoft.com/en-us/typography/fonts/windows_81_font_list

↓Windows 10のTimes New RomanはVer. 7.00
https://docs.microsoft.com/en-us/typography/fonts/windows_10_font_list

なお,Windows 10のPCに入っているフォントを
Windows 8が入っているほかのPCにコピーして使うのは、
フォントデータ(プログラムとしての著作権がある)の再配布になって
ライセンス違反なのでやっちゃだめ。

↓のFAQ(Redistribution and extended rights)にも書かれている。
https://docs.microsoft.com/en-us/typography/fonts/font-faq

論文をわかりやすく,読みやすくするためのポイントの図解

そろそろ今年も卒論,修論,人によっては博士論文の
大詰めの時期に差し掛かる時期です。
論文の書き方のコツを短時間でおさらいできるように
図解したものを並べておきます。
よかったら活用してください。
教材としてご利用いただくのも歓迎です。

ニコニコ静画のクリップにまとめています。

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論文で他人の著作物を使うときは最低限か,必然性を明確に説明できるか意識しよう

年末年始の休みも終わってそろそろ大学も再開するころでしょう。
そして卒業論文・修士論文・博士論文の仕上げの時期にもなります。

論文では先人の生み出した結果・考察・統計資料を元に
自分の研究内容に展開することがほとんどなので
とくに論文の導入部分では他者の著作物を
参考,または引用することになります。

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科研費若手B・基盤Cに採択された申請書,採択されなかったものの比較にみる申請書の書き方のコツ

9月下旬というと研究者にとっては
そろそろ科研費の申請書の準備を本格的に進めようかと
考える時期だと思います。

他人の申請書の完成版を例として見たい方もいるでしょうし,
過去の蓄積も役に立つ方がいるかもしれないので
研究代表者として出した申請書の実物と
採択,非採択の経験から得た申請のコツを提示しておきます。

私自身は平成29(2017)年3月で大学教員をやめているので
平成28(2016)年の時点ですでに科研費の申請書を提出する作業を
卒業してはいますが……。

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やりたいことが先にあって,それを上手くなるために守破離がある

このブログでは文章の書き方について
よく触れているが,これも「こう書くべき」という内容だ。
これも一歩間違うと本人の表現にフタをしてしまう
可能性がある。

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英語も日本語も否定文より肯定文で表現しよう

ちょうど卒論・修論・博士論文等をまとめている方が多くなる時期です。
大学によっては英語でまとめるように規定されていることもあるでしょう。

拙著Kindle電子書籍『Stylebook わかってもらえる論文の書き方』の内容を
気軽に学びやすいようにTwitterのBotにしています。
これを紹介しつつ,わかりやすい文章を書くコツをおさらいしておきます。

これを電子書籍にまとめたものもあります。 Kindle Unlimitedの対象でDRMフリーです!!

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「多岐に”わたる”」は”亘る”が常用漢字外なのでかな書きする

常用漢字以外の文字はかな書きしたほうが
確実に読んでもらいやすいのですが,
「多岐に”わたる”」は”渡る”だと思い込んでいたので盲点でした。
範囲の場合は”亘る”で,これは常用漢字外です。

「渡る」は「わたる」,毎日ことば

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