タグ別アーカイブ: ストーリー

必要性や合理性から遠いから高値が付きうる

次のツイートはそのとおりかもしれないと思った。

たとえば,クラウドファンドで研究費を集めるために
研究ストーリーを売るなら,
「役に立つ」「必要だから」という
現状の価値観で理解できるものより,
ロマンあふれるぶっとんだ仮説を示したほうが
大金を出してくれる酔狂な人が現れやすい気がする。

宝石とかも「必要」「役に立つ」「便利」でもつような
物じゃないけど高い値が付く。
宝石のダイヤは非常に高いが,
ダイヤモンドカッターはそんな高価なものではない。
宝石のダイヤに伴うストーリーや思い入れが高値の源泉。

ほかにも高級車や絵画といった芸術品,高級なお酒,
アーティスト・アイドル・アニメなどのファングッズなんかもそうかな。

ストーリーに頼らない研究のあり方

人間の認識パターンとしてストーリーがあったほうが
理解しやすいこともあります。
これは研究においてでさえそうです。
ある意味仮説を立てることもストーリーを考える要素を含んでいます。

ただし,これは「人間が理解しやすい」だけで
ありのままの真実を明らかにしやすいかどうかとは
別次元の話です。

次の記事は,人間の心情としてはストーリーを考えてしまうけれど,
それを受け入れつつストーリーに頼らない研究のあり方も
大事なことを認識させてくれます。

■牛の殺処分を拒否した畜産家が、世界初の実験で明らかにした被曝の影響とは,産経ニュース
http://www.sankei.com/affairs/news/160221/afr1602210001-n2.html

とくに最後のほうにある言葉に重みを感じます。
下に引用しておきます。

「本当だったら何も出ないで幸せな形で終わるのが一番いい。それが住民の帰還や復興にもつながる。しかし、私たちはストーリーも到達点もつくらない。」

研究プレゼン・論文でもストーリーは大事だがこだわりすぎると……

人が話を聞くとき,文章を読むときに
ストーリーがあったほうが引き込まれやすいですし
結果として理解できる可能性も高まります。

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安冨歩:合理的な神秘主義,青灯社 (2013) -1-研究は本来個人の感情や感覚から始まるもの

合理的な神秘主義』のとくに第二部以降は
研究に関わる方が読むと,自分のあり方を考えさせられると思います。
私がこの本を読んで感じたことを書いていきます。

この本で私が最も印象に残ったのは最後に掲載されている
探求の源泉の本質か書かれた部分です。
この本は「叢書 魂の脱植民地化」シリーズの1冊で
「刊行のことば」が巻末に書かれています。

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