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節約と収入を増やすのはどっちがいいの?

100円手元に残すには(93円+消費税)の節約をするか,
(130~140円-税金ー社会保障)だけ稼ぎをアップさせる必要がある。

税抜きの部分だと93円と130~140円もの違いがあるので,
金額だけで見てもある程度までの収入と資産なら節約したほうが難易度は低い。
節約のほうが自分でコントロールしやすいのもやりやすい点だ。

消費税が上がって消費に対する「罰」が強化されたともいえるし,
節約そのものの節税効果が高まってしまっている。

節約のスキルの効果が強まっているといってもいい。

節税というと,経費を発生させる(個人でも住宅や確定拠出年金がある),
つまり何かにお金を使うことで行うイメージが強いが,
経費を削減することも立派な節税になるということ。

もちろん節約で資金の流出は抑えられるので
二重の意味で資金繰りを良くする効果が出てしまう。

これじゃデフレが進まないわけないよね。

デフレ下で奨学金という名の借金を背負うリスクは見かけの金利よりも大きい

奨学金という名の借金を背負って大学に行くリスキーさが増しているのは
デフレのせいでもある。
無利子の借金だとしてもデフレの分だけ実質金利がかかってしまう。

たとえば,メロンパン1個100円で買える世の中で100円の借金をすると,
メロンパン1個分相当だが,デフレが進んで1個50円になってしまうと
無利子でもメロンパン2個分の借金になってしまう。

借金は実質金利(表面金利-インフレ率or表面金利+デフレ率)で考えるのが重要。
表面金利が0ならよいというわけではないのだ。

一方で表面金利がプラスでも実質金利がマイナスなら,
どんどん借金したほうがいいことになる。

また,銀行の普通預金に預けても利子が付かないから
別のものに投資しようというのはよくある文言だが,
デフレ下では名目金利が0でも
デフレの分実質は利子がついているようなものだ。

投資の才能がない,投資に興味がないなら,
デフレ下では普通預金または1年程度の定期預金で放っておくのは
実践コストも低くて悪くない方法だったりする。

借金があるからお金も存在する

借金でお金が発生する
→同時に利子も発生する
これを回し続けるにはさらにお金の発生が必要
(これを経済成長とよぶ)
→だから別の借金が必要になる
→また利子が発生する
(利子の返済は増えていくから利子返済のための労働も苛烈になっていく)
……借金と経済成長に依存するかぎりこの無限ループ

このサイクルはお金の総量が増え続けることで維持されるので
インフレ(お金の価値が下がり続ける)になるのが自然なのですが,
借金で生じたお金が大量に蓄えられてしまっているために
現在はデフレになっています。
お金の回りも悪くなるので借金返済も困難になります。

でも,お金を十分に蓄えている側にとっては
お金の価値が上がるデフレのほうが都合がいいですし,
お金を持っている人は社会に与える力も大きいことが多いので
この傾向は簡単に止まりそうにありません。

ただインフレでないと維持できないシステムを
無理やりデフレにしているので
ゆがみはすでにたくさん生じています。
ブラック企業が増えているのもこの顕れの一つでしょう。
このままこれがずっと続くとも思えません。

あとこのシステムの本質がわかると
「お金は価値との交換」
「お金を稼ぐには価値を提供しなくてはならない」
というのも幻想だとわかります。
借金がなくなったらお金は消えてしまいますから。