カテゴリー別アーカイブ: 研究

マイクロリアクター関連の情報や研究に対する考え方を述べていきます。とくに感性の大切さに触れています。

討論・交流会チュートリアルー物質収支と無次元数 Part6 物質収支式の無次元化

このPartでは,導出した物質収支式の無次元化の方法,
その過程での無次元数(反応速度/拡散速度,ダムケラー数)の抽出,
無次元物質収支式の解の例(逐次・並列反応の収率)について説明しています。

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討論・交流会チュートリアルー物質収支と無次元数 Part4 混合の大切さ

今回導出する物質収支式と無次元数の対象は,
混合と反応が同時に起こる操作です。

混合が反応の速度解析や選択率にどのように影響するかを解説しています。
意外と反応工学でもはっきりとは習わない内容です。

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討論・交流会チュートリアルー物質収支と無次元数 Part 2 物質収支の例と利点

ここからが本題の内容です。
化学工学の教科書のような例題を解きつつ,
物質収支がプロセス設計にどう生きるかということを解説しています。

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討論・交流会チュートリアルー物質収支と無次元数 Part 1 既知ブロックを外す

第4回マイクロ化学プロセス分科会 討論・交流会が
2013年7月25~26日に佐賀県鳥栖市で開催されました。

その1日目にマイクロ化学プロセスの土台になる内容の
チュートリアルを行いました。

私が物質収支と無次元数についてお話ししたものを
動画に撮影しました。
部分的に公開していきます。

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相関はあるけど因果関係もある?

昨日の記事に続いて,
「不都合な真実」とそれに対する誤りの指摘をみて感じたことを
もう一つ書いておきます。

相関はあるけど,因果関係がない(明確ではない)という指摘が
多いと感じました。

環境問題の場合,原因と結果の関係がたくさんありすぎて
シンプルな関係で説明するのが不可能なので
こういうことが起こりやすいと思います。

一般的な研究でもグラフを見せて説明することは多いですが,
相関はあるけど本当に因果関係もあるのか?
というのは気を付けようと再確認しました。

※2014/5/25追記
↓こちらの動画も参考になります。
因果関係があるときは相関もあるけど,
相関があっても因果関係があるとは限りません。

税金の話が出てきますが,単調な傾向でないものもあります。
この動画に出てくる法人税率が0%でも
100%(これだと誰もビジネスなんてしなくなる)でも
税収は0になるので最大値になる税率があるはずです。

『不都合な真実』を見てもののとらえ方を考える

昨日学部1年生を対象とするゼミで
アル・ゴア元アメリカ合衆国副大統領の
『不都合な真実』を見てもらいました。

毎年やっているゼミなので私自身は1年に一度見ています。
見る度に感じることが変わるドキュメンタリーです。
今回見て感じたことをシェアしておきます。

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マイクロ化学プロセス分科会 第4回 討論・交流会 チュートリアル予告編

マイクロ化学プロセス分科会
第4回 討論・交流会
2013年7月25日15:00~26日13:00
とりごえ温泉「栖(すみか)の宿」

にてマイクロ化学プロセスのチュートリアルを行います。
私が担当する
「マイクロ化学プロセスで大切な物質収支式と無次元数の導出」
の予告編をアップしました。

デジカメで撮影した動画にPowerPoint®の紙芝居を
埋め込むテストも兼ねています。

■当日の配付資料(解答付き)
https://panoramic-view.info/pdf/20130725Material-Balance-Tutorial.pdf

配布資料をKindle電子書籍でも読めるようにしました。
特典として,例題・穴埋めの解答部分を抜いたスライドと
スクリプトを入れたPowerPointノートのPDFファイルを
ダウンロードいただけるようにしました。
発信者側に立つ方のツールとしてご活用ください。

■マイクロ化学プロセス分科会公式HP
http://www2.scej.org/cre/mcp/

■マイクロ化学プロセス分科会facebookページ
https://www.facebook.com/scej.org.cre.mcp

■マイクロ化学関連の動画リスト
https://www.youtube.com/playlist?list=PLtEVzmhYKPPytFcH9L89tmIiBeD9jSsfn

撮影 Canon PowerShot SX160 IS
編集 Camtasia Studio 8

ナンバリングアップを実現するマイクロリアクター

マイクロリアクターとは」の記事中で,
一つの微小な流路では処理量が稼ぎにくいので
ナンバリングアップ(並列化)で対応するということを書いています。

この概念を実現しているマイクロリアクターの例として
神戸製鋼株式会社のSMCR®
(Stacked Multi-Channel Reactor,積層型多流路反応器)
があります。

各プレート内に並列に流路がある上に,
プレートを集積することでも並列数を増やせるようになっています。

一つのリアクター内で流路数を増やす方法を
Internal Numbering-up
リアクター自体を並列する方法を
External Numbering-upとよぶことがあります。

また,当ブログでも紹介している
スラグ流を伴う操作にも利用できます。
SMCR®内のスラグ流の動画も上記リンクに掲載されています。

ナンバリングアップの概念を使った
マイクロリアクターの論文の例をいくつか挙げておきます。

  • M. Al-Rawashdeh, F. Yu, T.A. Nijhuis, E.V. Rebrov, V. Hessel, J.C. Schouten
    “Numbered-up gas–liquid micro/milli channels reactor with modular flow distributor”
    Chemical Engineering Journal, 207–208, 645–655 (2012)
    doi: 10.1016/j.cej.2012.07.028
  • M.N. Kashid, A. Gupta, A. Renken, L. Kiwi-Minsker
    “Numbering-up and mass transfer studies of liquid–liquid two-phase microstructured reactors”
    Chemical Engineering Journal, 158, 233–240 (2010)
    doi: 10.1016/j.cej.2010.01.020
  • Osamu Tonomura, Takayuki Tominari, Manabu Kano, Shinji Hasebe
    “Operation policy for micro chemical plants with external numbering-up structure”
    Chemical Engineering Journal, 135S, S131–S137 (2008)
    doi: 10.1016/j.cej.2007.07.006

ブログ内参考記事「スラグ流とは